discography

Album
「集団行動」

¥2,000+税
1. ホーミング・ユー
2. ぐるぐる巻き
3. 東京ミシュラン24時
4. バイ・バイ・ブラックボード
5. 土星の環
6. AED
7. バックシート・フェアウェル

【ジャケットコンセプト】
アルバムのビジュアルクリエイションではカラーモザイクを使いながら東京の街中を撮影、ありのままの集団を映し出した。ドキュメントフォトで等身大の東京を写すことで、集団になった人々のパワーと、集団からはみ出した個の違和感を表現。本アルバムでは、規律のとれた一糸乱れぬ集団行動ではなく、個人的な行動の連続よってできた集団行動の妙がテーマになっている。

(art direction & graphic design 矢後直規_SIX/photography 濱田祐史/graphic producer池田了_P.I.C.S.)ト・フェアウェル

【チェーン別CD購入特典】
下記チェーンにて、集団行動デビューアルバム「集団行動」(VICL-64801)をご予約・ご購入いただきました方に先着で、各オリジナル特典をプレゼント!!
※特典はなくなり次第終了となります。お早めにご予約ください。

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集団行動 オリジナルポストカード

【配信情報】
iTunes Storeほか主要配信サイト、Apple Music、dヒッツほか定額制聴き放題サービスで同日配信開始予定

【ライナーノーツ】
奇想天外な歌詞、どこか懐かしくもあるキャッチーなメロディ、音の隙間を生かしたバンドサウンド、庇護欲をかきたてる少女っぽい歌声、ミステリアスな佇まい。2008年にリリースされた相対性理論『シフォン主義』が備えていたこれらの要素は後進のミュージシャンたちによってあらゆる形で解釈され、2010年代の音楽シーンを形成する重要なファクターとなった。

たった5曲でシーンの流れを塗り替えた、と言っても過言ではない『シフォン主義』。この作品における全曲の作詞作曲を手掛けていたのが真部脩一である。相対性理論のベーシストであった真部は2012年に同バンドを脱退。それ以降は他のアーティストのプロデュースやVampilliaへのギタリストとしての参加など、形式にとらわれない自由な活動を続けてきた。

そんな真部が、再び自身が主体となって新たなプロジェクトをスタートさせた。それが「集団行動」である。

「バンドを組むのが久々すぎて、組み方を忘れてしまいました(笑)。音楽の作り手として、自分がいつも志向しているのは「誰が歌ったとしても良い楽曲」。その考え方は今でも変わってはいないんですけど、一旦そこから離れて「自分一人ではできない音楽」というのをやってみようと思いました」(真部)

彼がボーカリストとして白羽の矢を立てたのが齋藤里菜。ミスiD2016のファイナリストとして一部では名前が知られた存在だったが、実は彼女は従前から音楽活動をしたいと考えていたわけではない。

「Vampilliaが出演した映画(『いいにおいのする映画』。主演はミスiD2015グランプリの金子理江)でミスiDに関わっている方々と接する機会があって、そこを経由して彼女と知り合いました。バンドを組むためにはまずフロントマンが必要ですよね。彼女の雰囲気や佇まいが、自分がイメージしているフロントマン像ととても近かったんです。ここは言語化が難しくて、僕の勘でしかないんですが・・・」(真部)

「自分の中で「音楽をやる」という選択肢は身近なものではありませんでした。これまで楽器や歌をやっていたわけではないし、流行りものの音楽しか聴いたことがなかったし・・・だからお話をいただいたときには不安が大きかったです。ただ、ミスiDのプロデューサーの方から「断る理由あるの?」と言われて、確かにこんな大きなチャンスには普通出会えないし、やってみようという気持ちになりました」(齋藤)

百戦錬磨の真部と、音楽的には「素人」でありながら真部がそのポテンシャルに賭けた齋藤。そこに真部の盟友でもある西浦謙助が加わった集団行動の鳴らす音は、衒いのないギターロックである。デビューアルバムとなる今作に収録されているのは全7曲。疾走感が気持ちよい「ホーミング・ユー」や力強いイントロが印象的なミディアムナンバー「土星の環」、後期JUDY AND MARYとのリンクも感じさせる「ぐるぐる巻き」「バックシート・フェアウェル」など、ロックバンドという傘の下に様々なアプローチが施された楽曲が並ぶ。すべての曲に共通しているのが、一度聴いたら忘れられないメロディと程よい軽さを湛えたギターの音色。強烈な中毒性とタイムレスな美しさの稀有な両立が、アルバム全編を通して実現されている。

一方、歌詞面において注目したいのが「あなたとわたし」という視点である。<次の世紀末に向けて からだをロハスで満たす 野菜はレタスに限る>(「バイ・バイ・ブラックボード」)といった独特な言葉遊びは健在ながらも、聴き手の心をよりざわつかせるのは<会いに行けないかな? 真夜中タクシーに乗って>(「バックシート・フェアウェル」)<さびしがりの天使になれない>(「土星の環」)というようなガール・ミーツ・ボーイを想起させるフレーズ。そんな言葉が齋藤のクセのない真っ直ぐな歌唱と組み合わさることで、リスナーの眼前にはリアルなときめきやほろ苦さを伴った世界が浮かび上がってくる。

「リアル」、これこそが集団行動における一つのキーワードかもしれない。どちらかというとドールライクな雰囲気を基調としていたこれまでの真部ワークスに比べて、集団行動の音楽を聴いた後に印象として残るのは人間としての体温や「今、ここにいる」というような実在感である(かといってそこまで重たすぎないバランスもまた心地よい)。この感触はライブの重要性が改めて増しつつある時代の流れとも合致しており、これまで真部の動向を気にかけてきたフリーク以外の音楽ファン、たとえばロックシーンを追っているライブキッズたちにとっても魅力的なものとして届くだろう。ステージ映えする齋藤の華やかなビジュアルも含めて、今のシーンのど真ん中でユニークなポジションを獲得できる可能性を秘めている。

もっとも、真部の話を聞く限りでは、今回届けられた楽曲が集団行動の「完成形」というわけではなさそうである。

「メンバーが足りていないので(注:現時点での正式メンバーは真部、齋藤、西浦の3人。お披露目ライブとなった「CONNECTONE NIGHT ver. 1.5(17年4月14日@TSUTAYA O-EAST)」では、演奏前に真部からメンバー募集のアナウンスがあった)、僕の中ではまだ「ちゃんとしたバンド」になれていないんですよね。それに、現時点での楽曲は「メンバーからインスパイアされてできました」というようなものにはなっていないというのが正直なところです。「そもそもバンドって何だろう」「本当に自分がやりたいこと、やるべきことはバンドなのか」と悩みながらやっている部分もあるので、この先どうなるかは自分でもまだわからないんです」(真部)

今の集団行動は、あくまでも途中経過。彼らの音楽がどのように変わっていくのか、そして日本のポップスの歴史にどんな影響を与えていくのか、今後の動向が非常に楽しみである。

(TEXT:レジー)